大丈夫!きっとすぐ良くなる!

急に言葉が出なくなってから、

しばらく、1年くらい混乱状態でした。

 

だって、この私が話せなくなるなんて

そんなはずないから。

 

以前から、話すことが大好きで、

他の部署の人からも

 

「いつも電話対応いいですよね。」

 

って褒められるくらい・・・

 

そして、

 

「私電話の声大きいですか?すみません!」

 

っていうところまでお決まりだったくらい、

人と話すのが好きだったんです。

 

そんな私が、まさか話せなくなるなんて。

 

何か悪い夢でも見ているんじゃないか?

実はこの悪い記憶は全部夢で、

現実世界では今までどおりちゃんとやれてるんじゃないか?

 

そんなことばかり考えていました。

 

でも、残念なことに夢ではないと悟ると、

次は、

 

今は疲れているだけだから、

週末休んだら治ってるんじゃないか?

 

と思い始めました。

でも、週明けになっても全然変わっていません。

 

あれ?おかしいな。

週末ちゃんと休めなかったのかも。

飲みに行ったから眠りが浅かったのかな?

 

などと、自分で適当な理由をつけて、

来週こそはきっと治るはず!

と言い聞かせていました。

 

GWや夏休み、年末年始などの

大型連休の前になると、

 

連休あけたら調子も戻ってるはずだから〜

 

と、かけないといけない電話も先延ばしにしていました。

 

連休明けには治っているはず!と思いつつも、

仕事を先延ばしにしてしまっていることにストレスを感じ、

連休中も憂鬱な電話のことが頭にちらついて、

何をしていても心から楽しむことができませんでした。

意外と丈夫だった私の体

何を話すのも怖くなって、

でも、対外調整も対内調整も多く、

さらに社員に対する顧客からのクレームも

受けなくてはいけない部署にいたため、

話すことや電話を避けることは不可能でした。

 

言い換える用の類義語を考えながら会話することにも慣れ、

時に、声の出し方を変えてみたり、

どうにも調子の悪い日は電話から少し離れた席で作業をしたり、

細かい工夫を重ねながら何とか凌いでいましたが、

パワハラ、激務、発話ストレスにより

極限状態まで追い詰められていました。

 

明日こそは仕事に行けないんじゃないか、

と毎日毎日思っていましたが、

意外と体は動いて出勤できてしまいました。

 

精神的にかなりきつい状態であるという自覚はありましたが、

体が動いてしまうため、

仕事を休むわけにはいきませんでした。

 

私はそれまでの人生で、精神面で躓いた経験がなかったため、

どの程度で休んでいいのかわかっていませんでした。

 

何となく、朝お腹が痛くなって出勤できない、

とかよく聞くので、

そうなるまでは続けないといけないと思っていました。

 

でも、この判断が間違いだったと気がつくのは

だいぶ先の話でした。

 

言葉が出なくなる感覚

言葉が出なくなる感覚って、

実際に体験した人じゃないとわからないと思うので、

私が陥る感覚について書いてみたいと思います。

 

私の場合だと、

真っ直ぐ走っていると

急に行き止まりにぶち当たるような感覚です。

 

そして、言い換えようとしてもその言葉も言えない時は、

迂回しようとしても、上から壁が落ちてくるような感じがします。

 

例えば、

 

「この書類、どうやってお渡しすればいいですか?」

 

と聞かれた時に、

 

「メールでお送りいただければと思います。」

 

と答えたいのに、

 

「メール」と言えない。

まずここで行き止まりにぶち当たります。

 

 

脳内で言い換えてみます。

 

「データでいただければと思います。」

 

壁が落ちてきます。

だめだ、「データ」も言えない。

 

 

やばいやばい、

「メール」も「データ」も言えない。

じゃあこれはどうだ?

 

「郵送だとお手数ですしお金がかかってしまうので・・・」

 

これは言えそう。

 

すると、相手が、

 

「あ、じゃあメールでいいですか?」

 

と言ってくれて、一件落着。

 

 

書類をメールで送ってほしい。

 

たったこれだけの話なのに、

めちゃくちゃ大変なんです。

 

この作業を四六時中しているので、

逆に私めちゃくちゃ優秀なんじゃないかと

思ってしまったりもします。(スーパーポジティブw)

 

私は場面やコンディションで、

話せたり話せなかったりと波があるので、

(そして話せるシーンでしか極力話そうとしないので)

周囲の理解がなかなか得にくいという点で、

カミングアウトしづらかったり、

説明が難しいと感じることが多々ありました。

 

この症状がどれほどメジャーなのかは

よくわかりませんが、

同じような悩みを抱えた人が周りにいるけど、

どう辛いのかわからず、フォローもしにくいと

感じている方に届くといいなと思い、

書いてみました。

陥ってしまった悪循環

突然言葉が出なくなってしまったあの日以降、

私は発話がとても辛くなりました。

 

まず、電話で言えなかった自分の名前。

自己紹介や、電話を受ける時、かける時も

極度に緊張するようになりました。

 

自分の名前以外も、話しながら、

 

「この言葉は言えないんじゃないか?」

 

と常に考えてしまい、言えなかった時に備えて、

言い換える言葉を用意しながら話すようになりました。

 

体調によっても波があって、

私は月経に伴うホルモン異常が激しい体質なのもあり、

体調が優れない期間は、

何を話そうとしても全く言葉が出てこず、

ただただ詰み・・・状態でした。

 

そんな状態の時に、

上司に叱責され、説明しろと言われても・・・

言えそうな言葉を一通り脳内で探してはみますが、

やっぱり見つからず、黙って俯くしかありません。

そしてそんな私を見てさらにイラつく上司・・・。

 

誰がどう見ても悪循環な流れです。

しかも当時、私は誰にも打ち明けられていませんでした。

 

 

なぜ打ち明けられなかったのか。

なぜ助けを求められなかったのか。

 

職場の上司や同僚は、みんなとても忙しそうで、

そんな話をできる雰囲気でなかったとか、

打ち明けたところで状況を良くしてもらえる気もしなかったとか、

もう中堅社員の年次なので、

自分の問題は自分で解決しなければならないと

自分を追い込んでしまっていたとか、

シンプルに、そんな話をするのが恥ずかしかったとか、

 

当時の私には、相談できない理由しかなくて、

相談したほうがいいという結論には到底至りませんでした。

突然言葉が出なくなった日

もう数年経ちますが、あの日のことは今でも忘れません。

 

それまでも言葉が詰まったりする症状は少し出ていましたが、

当時上司からのパワハラに加え、仕事もかなり激務で、

自分自身、気にしている余裕がありませんでした。

 

 

ある日、取引先から電話がかかってきました。

少し話した後、先方から尋ねられました。

 

「担当者様のお名前を教えていただけますか?」

 

 

私は自分の名前を言えませんでした。

口は開いているのに言葉が出てこないのです。

しばらく黙っていると、先方は、

 

「もしもーし、聞こえますか?」

 

と何度も言っています。

私はどうしようもなくなって、電話を切ってしまいました。

 

そのままトイレに逃げ込み、震えが止まりませんでした。

 

電話切っちゃった・・・どうしよう・・・

その前に何あれ、全然言葉出てこなかった・・・

もう私働けないのかな・・・

このままどうなっちゃうんだろう・・・

怖いよ・・・

 

 

お尻も痛くなってきて、

いつまでも便器に座っているわけにもいかず、

自席に戻りました。

 

すると、同僚から、

 

「さっきの取引先から電話かかってきたよ。

途中で切れちゃったの?」

 

と聞かれました。

私は、

 

「え、本当ですか?」

 

と無理がありながらもとぼけるしかありませんでした。

ブログ始めました!

はじめまして!

えみりんと申します。

 

数年前、パワハラを受けたことがきっかけで、

吃音と機能性発声障害を発症。

 

元々、人と話すことが大好きで、

仕事もコミュニケーション力のみに頼りっぱなしだった私は、

話せなくなった途端、何もできない人間になってしまいました。

 

とても戸惑い、そんな自分を受け入れるのに何年もかかりました。

 

少し前にやっと自分の状態について認知することができ、

発声の治療や、

前を向くために、自分自身の物事の捉え方を変えていこうと

色んなことに取り組んでいるところです。

 

 

私は親しい間柄の人達には、

なんでも共有したい欲求が強い人間なのですが、

パワハラを受けている期間や、

発声障害で苦しんでいる間、

なぜか誰にもこの悩みを打ち明けられませんでした。

 

上司と自分、また自分だけで世界が閉ざされてしまうと、

必要以上に自己否定に陥り、悪循環だったと今になって感じています。

 

きっと今現在も同じように苦しんでいる方や、

ケースは違っても人には言えない悩みで

心が溢れそうになってしまっている方が

たくさんいらっしゃるんじゃないかと思います。

 

私も日々成長中の身ではありますが、

人生の転換期を迎えている今、そんな日々の記録を残したい思いと、

今現在苦しんでいる方に、何かを届けることができたら嬉しいなと思い、

ブログを始めることにしました。

 

暗い話ばかり続いてもしんどくなってしまうので、

日々の出来事なんかも綴っていきたいなと思っています。

 

 

読んでいただけると嬉しいです!

よろしくお願いします。