陥ってしまった悪循環

突然言葉が出なくなってしまったあの日以降、

私は発話がとても辛くなりました。

 

まず、電話で言えなかった自分の名前。

自己紹介や、電話を受ける時、かける時も

極度に緊張するようになりました。

 

自分の名前以外も、話しながら、

 

「この言葉は言えないんじゃないか?」

 

と常に考えてしまい、言えなかった時に備えて、

言い換える言葉を用意しながら話すようになりました。

 

体調によっても波があって、

私は月経に伴うホルモン異常が激しい体質なのもあり、

体調が優れない期間は、

何を話そうとしても全く言葉が出てこず、

ただただ詰み・・・状態でした。

 

そんな状態の時に、

上司に叱責され、説明しろと言われても・・・

言えそうな言葉を一通り脳内で探してはみますが、

やっぱり見つからず、黙って俯くしかありません。

そしてそんな私を見てさらにイラつく上司・・・。

 

誰がどう見ても悪循環な流れです。

しかも当時、私は誰にも打ち明けられていませんでした。

 

 

なぜ打ち明けられなかったのか。

なぜ助けを求められなかったのか。

 

職場の上司や同僚は、みんなとても忙しそうで、

そんな話をできる雰囲気でなかったとか、

打ち明けたところで状況を良くしてもらえる気もしなかったとか、

もう中堅社員の年次なので、

自分の問題は自分で解決しなければならないと

自分を追い込んでしまっていたとか、

シンプルに、そんな話をするのが恥ずかしかったとか、

 

当時の私には、相談できない理由しかなくて、

相談したほうがいいという結論には到底至りませんでした。